日本人を幸せにする鋭い儒教批判

 タイトルが魅力的なので読んだ人は多いと思う。
 実は本書は日本の内部にある儒教を批判する書である。黄文雄氏が数々の著作中華思想批判を繰り広げている。私もずいぶんと読んだ。しかし、はっきりいって黄文雄はものたらない。言葉が遠くから投げかけている感じで、(文明論とはそういうものだといわれればそれまでだが。)直接的に我々の生活とのつながりが見えてこないのだ。
 だが、本書は全く異なる。橋本治は中国から日本に伝わり、日本に定着した儒教が今の日本人の生活をどのようにゆがめているのかを明確にする。ここのところ日中外交が混迷している。本書の読者は、中国人の言っていることに振り回されることはないだろう。それほどまでに本書は頭の中に詰まったゴミをきれいに取り除いてくれる。