Hindy Quest

はじめてのたたかい

ゾロアスター的二元論の物質的基盤

 突然だが、ギャンブルには必勝法があると思うかい?
 「ある?」「ない?」
 仮にあるとしよう。ではギャンブルの参加者全員がその必勝法を知っているとどうなるか。必勝法なんてないのと同じだろう。「必勝法」には「情報」のギャップがないとね。
 憂さを晴らそうとして、ギャンブルに嵌っても無駄で、現実には情報力・資金力の差がものを言う。十分な元手があれば胴元をやって寺銭を稼ぐにきまっている。

 いきなりギャンブルの話をしたのは、この世の縮図としてわかりやすいかと思ってね。
 誰だって、自分よりはるかに金をもっている奴がいることを知っているので、資金力の勝負にもちこまれないようにする。技術やノウハウを培ってね。カタギのビジネスはそうやって成立している。だが金融の世界だけはギャンブルから離れられない。金融のない経済活動が不可能なために、われわれはこのギャンブラー宇宙から離れられずにいる。

 でもどこかに必ず、世界最大の金持ちは成立する。世界最大の金持ちにとっては、ギャンブルは賭けではない。資金力の勝負で負ける可能性がないからだ。資金力世界最大なら、ギャンブル市場経済にうずめつくされた地球は彼の庭となる。正々堂々と公正に行われるギャンブルで必勝になる。彼を脅かす資金力のライバルの登場だけを注意していればいいのだ。彼は、スポンサーになるだろう。
 思想家たちはまるで鉱脈を探るかのように、スポンサーに金を出してもらえるために、スポンサーが不安を覚える事象を徹底調査する。

 そこにゾロアスター的二元論が接続される物質的基盤がある。