Hindy Quest

はじめてのたたかい

iTunes4.9が公開されたのでPodcastingを聞いてみた。

あちこち探して、聞いて面白かったのが、これ
*1
「モーリー=ロバートソンとIT音楽ジャーナリストの津田大介の対談」
http://morley.air-nifty.com/movie/files/0615_bangumi.mp3

もともと物心ついたころからのラジオ好きだったもんで、ラジオがどんなメディアになっていくのかには非常に興味がある。
モーリー=ロバートソンといえばパソコン通信J-Waveのコラボレーションを10年ほど前にやっていたので、これは、podcastingもはやばやと手をつけているに違いないと踏んだんだ。(もちろんすでに飽きている可能性大だったが。)

10年前は放送をよく聞いていたが、実際彼の声を聞いたのは久しぶり。相変わらずだった。
 今回のPodcastは一応、インタビューということになっているんだが、ていねいに、情報を引き出しながら、まわりを巻き込んで盛り上げていく会話の進め方は実にうまい。ディスカッションのテンションを引き上げていくジャムセッションのノウハウは磨きがかかっている。J-WaveのDJのときからそうだったけど、彼は「放送台本」を読むようなしゃべりはしない。その場でしゃべり、議論しながら考えを組み立てていってそこから見えてくるものをリスナーに投げる。
 彼は、リバータリアンというかアナーキストというか理想的、古典SF的な楽観主義をどーんと打ち出しておいて、わざと相手につっこませて、あいての議論をとりこんで、整理する柔軟な思考力が技。つまり相手の「しゃべりたい」という欲求を刺激するように流れをつくっているんだね。
 90分という長さで、相当に盛り上がるにもかかわらず、「内輪うけ」とか「悪ふざけ」に陥ることなく、落語・漫才とはちがうエンターテインメントな口承文化の実例を見せてくれる。いちおうこれは「話芸」なんだな。

 ただ、ネットで流通しているのは音楽だけではないので、ほかの素材をふくめたもっと突っ込んだメディア論が必要になってきていると思う。「朝日新聞の悲劇」もそこで別の角度から分析されることをまっている。

*1:これは文章でトラックバックしているんだけど、仁義としてはこっちもPodcastingすべきなのか?