人間界の諸相を曲尽して、大乗遊戯の境に参入するカルマ曼陀羅

グイン・サーガ 100 豹頭王の試練 (ハヤカワ文庫JA)

グイン・サーガ 100 豹頭王の試練 (ハヤカワ文庫JA)

普段書かないので、100巻記念にここにまとめておこう。

グインとの出会い

 あれは中学1年の時だった。読書力が高まり、SFやミステリを読み漁っていた。長い小説が読みたくなって本屋にいくと、早川文庫で4−5冊のシリーズが並んでいた。栗本薫の本は小学生の頃にすでに図書館で「エーリアン殺人事件」とかを読んでいたかもしれない。ファンタジーを読み慣れていなかったため、1冊読んだだけで、しばらく本棚に積んであった。中学三年の夏休み、盲腸になって入院させられた。そのとき16冊のイッキ読みをした。何かが変わった。

グインから学んだこと

 以来20年以上、グインと付き合ってきたわけだが、言葉にはっきりできないが、そこから得たものは大きい。人間の精神の秘密にもかなり触れているので、下手な宗教にひっかかることを思えば実に安い投資だったと思う。

 グインサーガはファンタジー版「三国志」ということだが、「三国志」の解釈として、統治にとって3つの重要な要素をそれぞれ主人公たち(劉備曹操孫権)に託したという説がある。すなわち、国民の信頼と力と権威である。グインにでてくる三国もそれに似た部分を持つ。しかし、最近はそれよりもアユールベーダのトリグナのようなイメージで捉えるようになった。ピッタ、カパ、ヴァータという属性のバランスが崩れることで心身の健康は損なわれる。グインの主要登場人物はそういうことを表現させられているように思う。

今後の展開は?

 表題は中里介山の「大菩薩峠」の前文より引用した。そのままグイン世界にあてはまるような展開になっていくと思う。
 主人公としてのグイン自身は今後「情」の部分の弱点が大きく拡大して問題を引き起こすことになりそう。それとともに気になるのがミロク教。多神教の世界との精神的違いが大きくクローズアップされていくことになるはず。グイン世界への興味は尽きない。