ドイツかぶれが過ぎるぞ滝連太郎

 俺は、ある日、浅草にいた。江戸時代の職人工芸について思いをはせていた。と、そこに琴のメロディが流れてきた。♪春のうららの隅田川〜そう、いうまでもなく滝連太郎の有名な名曲「花」である。だが、俺にはその琴のメロディは江戸文化に似合わない気がした。ドイツ語の歌詞が聞こえ、鼓笛隊が演奏する様子が見えた。そんな気がした。
 あとで調べてみると、稀代の作曲家は、やはり音楽を学びにドイツへ国費留学をしていた。舶来の音楽を日本に紹介することが重視されたその時代の雰囲気とはいえ、これでは、ドイツ人に猿真似といわれてもしょうがない。