SARS騒ぎが収まって数週間。

ちょっと振り返ってみる。
WHOによる渡航自粛勧告は前代未聞だった。しかも、多くの機関が従った。
USやEUやUNがイラク戦争で権威を得ようとして、逆に権威を失っていった同じ時期に、UNの一機関に過ぎないWHOが権威を獲得したのが面白い。
WHOに注目するのは、他の国際的問題では、こんなにスムーズに対応できる可能性がほとんどないからだ。環境問題を考えればわかる。
WHOの成功にはいくつか原因があるだろう。

  • 他の政治的問題(人権や体制の問題)と切り離したこと
  • そもそも政治的な機関とみなされていなかったこと
  • 専門的知識に基づいていたこと
  • ほかに匹敵する機関がなかったこと

などなど。
それでもこの成功の裏に説明しにくいものが漂っているのを感じる。
近代人の集合的無意識の中に、近代を産み落としたペストの記憶が隠れていたのだろうか。